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社会人なら知っておくべき引きこもりの高齢化による問題とは?

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みなさん “引きこもり” と聞くと
どのようなイメージが浮かぶでしょうか。

私は
“学校になじめずに不登校になってしまった人”
もしくは
“新社会人として環境の変化に馴染めず、
退社し、無職のままの人“
というイメージがあります。

つまり、10代・20代の若者の問題だという
イメージを持っていました。

しかし、
現代社会では“引きこもりの高齢化”
進んでいるのです。

ここでいう “高齢” の引きこもり というのは
「80歳以上で家からほとんど出ない人」
を指しているのではなく
「40、50代の一人暮らし/実家暮らしで外出をしない人」
を意味しています。

 

今回、引きこもりの高齢化によって

どのような問題が生じるのか

紹介していきます。

引きこもりの人数はどれくらい?高齢化してきた背景は?

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2017年の時点で、

引きこもりの人数は推計約54万人

ですが、実はこの数字、

15歳~39歳までの統計なのです。

やはり、もともと “引きこもり=若者” だったので
調べてみると、調査の対象は10代~30代が主流です。

ところが、島根県が行った生活実態調査では
“引きこもりの高齢化” がはっきりとしています。

15歳以上、上限年齢なしの人を対象に調査を行ったところ
40代の引きこもりが最も多く
しかも、40歳以上の引きこもりの割合が
全体の53%を占め、半数を超えました。

調査したといっても
出てきた数字は、あくまでも把握できた数字であって
実際の数は何倍になるかもわからない
というのが現実です。

引きこもりが高齢化している主な背景は
二つあります。

・若い頃から長期間の引きこもり
・退職後の引きこもり

です。

「若い頃から長期間の引きこもり」
10~30代に学校や社会に馴染めず、
そのまま社会復帰をせずに時間だけが経ち
40代に突入したというケースです。

転校・転職や結婚などしていれば
社会復帰できたかもしれませんが
年齢を重ねるごとに、
どうしても難しくなってしまいます。

「退職後の引きこもり」
リストラや転職がうまくいかず
無職やフリーターになります。

職場での人間関係やリストラからの
精神的なストレスにより
引きこもりになってしまうケースが多いのです。

この二つ目の中年層の無職者の増加は
引きこもりの高齢化に大きく関わっています。

むしろ最大の原因と言っても良いでしょう。

やはり年齢が上がるにつれて再就職や
アルバイトを見つける事でさえも難しくなります。

また、「就職氷河期」に直撃した世代が
そのまま就職できず中年層になった
という場合もあります。

アルバイトの経験しかない中年層を採用する企業も
厳しい話ですが、ほとんど無いと言えます。

20代・30代で就職できたものの、
ブラック企業で精神的なダメージや
人間関係のストレスから定年前に退職をして
無職になってしまう人もいます。

このようなことから
現在、若者より中年のフリーター数が
増加している傾向にあります。

“引きこもり” と聞くと、
もう一つ似たような意味で
よく知られているニート
という言葉がありますね。

Not in Education, Employment or Training
の略です。

「15~34歳の家事・通学・仕事をせず、
職業訓練も受けていない人」
のことを指します。

それでは “スネップ(SNEP)”という言葉は
聞いたことがありますか?

これは「Solitary Non-Employed Person」のことで
「孤立無業者」という意味です。

定義はニートと似ていますが
「20~59歳、未婚、一人もしくは家族としか交流のない人」
を指します。

もともとは男性に多かったのですが
最近ではSNEPに陥る女性が増加しています。

前述のように、

就職・転職難が原因となる場合もありますが
もともと専業主婦をしていて
離婚をきっかけに孤立し、
さらに引きこもってしまうケースが増えています。

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引きこもりの高齢化が進むことでどんな問題が?

「今までずっと働いてきて
その時の貯えで、現在引きこもりだけど生活できている」
という人もいるでしょう。

ですが、やはり収入がないわけですから
家族、特に親に頼っている人がほとんどです。

一人暮らしで仕送りをしてもらっている人も
一緒に暮らして養ってもらっている人も
どちらも親の経済力に頼っています。

当然のことですが
引きこもりの本人が中高年なら、
その親はさらに高齢です。

当然、親も貯金や年金で生活しているでしょう。

親子で貧困に陥り生活難に苦しんだり
親に介護が必要になった時や
入院しなければいけない時に対応できるのか

親にもしものことがあった時
その後、一人で生きていけるのか
など、本当に多くの問題があります。

そしてこのまま高齢化した引きこもりの方が
増えていくことによって
例えば生活保護を受けるケースも増加します。

もっと言うと、生活保護の申請することさえ
出来ないケースも想定できます。
そういう点まで行政の支援やサービスで
カバーしていけるのかという問題があります。

また、生活保護受給者が増えることよって
国の財政を圧迫することに繋がっていきます。

他には、
同居する家族とのトラブルから
悲しい事件に発展してしまうケースが
増加してしまいます。

まとめ

この先、そのままにしておけば
引きこもりの高齢化はますます進んでいくでしょう。

就業が難しいとはいえ、実際には働ける年齢ですので
国からの支援を期待することも難しいです。

ただ「引きこもり」といっても
本人にやる気がなく
ただ楽だからと仕事もせずに引きこもりになる人もいれば

リストラされたり、
就職活動したけれど仕事が見つからなかったり
現実社会の中、本人の努力では
どうすることもできなかったという人もいるでしょう。

一概に、引きこもっている本人が悪いとは言えないのです。

この問題は、当事者も、社会や行政も
努力して改善していかなければいけない問題です。

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