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高度プロフェッショナル制度とは?厚生労働省の狙いとは?

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安部政権の目玉法案として
注目の高度プロフェッショナル制度。

野党からの「残業代ゼロ法案」や「過労死法案」等、
強い批判を受けたのもあり、
今国会中での成立は見送られた本法案です。

ですが、一体どういう目的の
どういう内容の法案なのでしょうか?

穏やかではない批判を受ける本法案ですが
近い将来可決される可能性もあります。

今回は、高度プロフェッショナル制度について
紹介いたします。

高度プロフェッショナル制度とはどのようなもの?

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この、高度プロフェッショナル制度とは、
簡単に表しますと

一定水準以上の所得を得ている労働者について
労働時間規制の対象から外す

ということになります。

まだちょっとよくわからないですよね?

高額所得労働者については
何時間働こうが(定時よりも早かろうが、遅かろうが)
雇用主によって定められた金額を
給与として支払うこととする

といった内容の法案になります。

「何時間働こうが定められた金額」
と言うところで
「残業代ゼロ法案」と
批判を受けている訳なのです。

実は、この法案が議題に上るのは
今に始まったわけではないのです。

まず、昭和62年に
「専門業務型裁量労働制
という制度が作られました。

この内容は

専門的な職種の労働者について
実際の労働時間とは関係なく
労使協定によって定められた時間を働いたとみなす

という制度です。

なぜ、このような制度が
取り入れられたのかというと

研究者やデザイナー、弁護士といった
専門的な職種は自分のペースで仕事を進めることが多く
一般的な会社の様な労働時間の基準では
評価が困難であるということから、
取りいれられました。

また、平成10年には
「企画業務型裁量労働制
という制度も使われています。

こちらは、
会社の企画立案部門で働く人たちは
働いた「量」よりも「質」で評価されるため
単純に労働時間では成果を評価できない
ということから取りいれられました。

今回の
「高度プロフェッショナル制度」に於いては
この二つの前例をもとに、
その対象を広げる目的で
導入が検討されている制度です。

厚生労働省の狙いは?

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では、
「高度プロフェッショナル制度」が導入されると
どのような影響があるのでしょうか?

まず、高度プロフェッショナル制度の対象となる
職種と勤務について押さえておきましょう。

第一に、先程もお話ししたとおり、
対象となる職種は専門性の高い職業です。

研究関係や弁護士デザイナー、
さらに金融関係やコンサルタント業等、
労働時間と仕事の成果が比例しにくい職種です。

そして、年収が1015万円以上の労働者であること。

この二つの条件を満たし、
本人が希望し職務の範囲を明確にした上で
雇用側が認めた場合、
労働時間規制から外される、
となっています。

そして、認められるということは
時間外・深夜・休日労働の割増賃金が支払われない
ということになります。

では、高度プロフェッショナル制度を導入すると
どう影響があるのか考えてみましょう。

まず、労働時間に給与が左右されないため、
短い時間で効率よく働くということが、
重要視されるようになります。

無駄にだらだらと、残業をしたり
休日にわざわざ出勤する必要性がなくなる
ということですね。

むしろ、そのような働き方をした方が「損」をします。

つまり

残業代や休日出勤などの割増賃金は出ませんよ~

でも、効率よく働いたら働く時間は自由にしていいですよ~

給与はその成果に対しての支払いになるから
効率よくクオリティの高い仕事をしたら
その分給与を払いますよ~

ということです。

ただ、現案では「残業代ゼロ法案」
だったり「過労死法案」などと言われている訳ですが

それを踏まえた案も盛り込まれる予定です。

案として

「始業から24時間以内に
 継続した休憩時間を確保する」

「健康管理時間として、
 働く時間の上限を定める」

「4週間に最低4日。
 一年間で104日の休日を確保する」

といったものが挙げられています。

これらを踏まえた時
高度プロフェッショナル制度の導入というのは

①会社側が労働者の成果による評価が容易になる

②有能な労働者の給与よりも、
 だらだらと長時間残業をする労働者の給与の方が高い
 という矛盾を失くせる

といったことがメリットとして考えられます。

このことが、厚生労 働省の狙いと言えるでしょう。

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高度プロフェッショナル制度に対して労働時間の実態は?

では、実際に現在の労働時間の実態は
どのようになっているのでしょうか?

平成26年のデータですが、
労働者の約10%程度の人が
「月80時間」を超える残業を行っています。

「月80時間」という残業時間は
俗にいう「過労死ライン」
と呼ばれる時間数です。

このような状況で、
実質残業代がなくなる制度への批判が出るのは
当然のことと言えます。

まとめ

「残業代ゼロ法案」と呼ばれる
プロフェッショナル制度ですが、
本当に残業代がゼロになるだけの
悪法案なのでしょうか?

少なからず、短い時間で効率よく、
クオリティを高めた仕事を
促すことになる制度であることは
間違いないことです。

しかし、懸念されているように、
実質残業代がゼロになり、
ブラック企業を増やす恐れもある制度です。

この制度が施行された時は、
何よりも雇用主と労働者双方の十分な話し合いを行い、
導入するに値する仕事なのか否かを十分に鑑み、
働き方というものをしっかり考える必要がある
ということなのではないでしょうか?

今後の動向に注目ですね。

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