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知らなきゃ恥!?カタールと中東の国との国交断絶で日本に与える影響

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世界は今、至るところで揺れています。

北朝鮮外交問題で揺れ
トランプ大統領のロシアゲートで揺れ
ロンドンが立て続けの様々な事件で揺れ

そんな中、突如中東6カ国が
カタールとの断交を発表しました。

ただでさえ混乱を極めている中東が
さらに揺れているわけですが
今回はカタールの国交断交について説明いたします。

国交断絶とはどういう状態のこと?敵国関係になるの?

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国交断絶にもいくつかの段階があり
広義の意味では、
外交断絶という状態も国交断絶ということはあります。

外交断絶とは、ただ国家間の外交がない状態のことで
民間レベルでの制限は特にないものです。

大使館が置いてないぐらいのものです。

たとえばわかりやすいところだと
日本は台湾と1972年に国交断絶をしており
そしてそれは今も続いています。

1972年に日中国交正常化に伴い
中国の掲げる「一つの中国」理論に沿って
台湾の国家承認を解き、国交断絶をしたわけです。

しかし、現在では
日本と台湾はお互いに観光客も数多く行き交い
お互いのお互いに対する好感度も
中国や韓国と比べて圧倒的に高い状態にあります。

安倍総理も2016年5月に就任した
台湾の蔡英文総統に「心からの祝意」を送っていたり
非公式にもかなりの接触がありますが

それでも日本と台湾は国交断絶状態なのです。

厳密にいうと、外交断絶という状態で
国家としての交流、つまり
外交はないけど、民間レベルの交流はバリバリあるよ
という状態です。


と、こんな話をしてしまっては
今回のカタールの国交断絶も
大したことないという感じがしてしまいますが
残念ながらそういうことではなく……


今回のカタールに対するものは
日本と台湾のような外交断絶でなく、
狭義の意味の国交断絶です。

戦争まではいかないものの
かなり厳しいものであるということです。

断交を決めたうちの一国である
中東の大国サウジアラビア
陸海空の交通をストップさせてやると、
鼻息をフガフガいわせています。

それによって国境は完全に遮断され
各航空会社もカタールと今回断交を発表した国々との
航空便運行を中止してしまいました。

カタールは食料の大部分を輸入に頼る国なので
国民は食糧不足を恐れ、
町のスーパーでは買い占めが進み
物がほとんどなくなってしまっているという……

結構アブない状態です。

それでも例外的に
民間のイスラム教徒の巡礼目的ということであれば
国境を通してもらえるようです。

この辺のイスラム教の機微というものは
日本人にはちょっとわかりにくいですね。

いつカタールが中東のどの国と国交断絶になったの?

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カタールと中東6カ国の国交断絶が報じられたのは6月5日。
その6カ国とは

サウジアラビア
・エジプト
アラブ首長国連邦UAE
バーレーン
・イエメン
モルディブ

なんでかというと、表向きの理由としては
カタールのタミム首長が演説の中で
サウジアラビアと犬猿の仲のイランとの関係改善を呼びかけ、
サウジアラビアがテロ組織として認定している
ムスリム同胞団を擁護したりしたから

で、実は
この情報もロシアのスパイが流した偽ニュースだ

なんて話も出てきてまして
もうホントに中東情勢は
グチャグチャしててわかりにくいのですが(笑)


さておき、この情報が正しかろうと正しくなかろうと
サウジアラビアは隣国カタール
昔からどうにもいけ好かない。

イスラム教の中でも同じ宗派でもあり
表向きは敵対する理由はないわけですけど

それでもサウジアラビアからすると
カタールという国は人口250万人の小さな国にも関わらず
首都には高層ビルが立ち並び
国民ひとりあたりの国民所得は世界一という金持ち国

イスラム教の戒律も緩めで
自由を謳歌する空気のカタール
サウジアラビアはどうにも快くは思っていなかったわけです。

で、今回の偽(かもしれない)ニュースのおかげで
堪忍袋の緒が切れた、というわけです。


サウジアラビアだけでなく6カ国が断交していますが
なんといってもサウジアラビアは中東No.1の大国であって
このサウジアラビアが怒っていることで
他の国々も追従しているという状態です。

エジプトとしてはムスリム同胞団の擁護は
サウジアラビア抜きに許せない話ではあるのですが……
ここでは割愛します。


カタールとしてはサウジアラビアは中東の盟主であると同時に
唯一自国が陸路で国境を接している国でもあり
敵対を望んでいるわけではありません。

とはいえ、
サウジアラビアに右へ倣えで子分のように付き従って
理不尽を被るのはゴメンの立場であって

サウジアラビアと仲の悪いイランとも
カタールとしては良い取引をして
オイシイ思いをしたいと思っていて

それでサウジが結局怒っちゃったんですけどね(笑)

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中東の国と国交断絶で日本企業にどんな影響が?

そもそもカタールってなんとなく聞いたことはあるけど
どんな国かよく知らないし……

なんて方が多いんじゃないかと思います。

でも、首都の名前を聞けば「ああ!」となるでしょう。
カタールの首都とは


ドーハ


そうですね、
1993年のサッカーワールドカップの最終予選で敗れ
すんでのところでワールドカップ出場を逃したという
あのドーハの悲劇で有名なドーハです。

そんなことがあったおかげで
サッカーフリークにはもちろんそうでない方にも
主にサッカーで知られることとなったカタールですが

実は2022年のワールドカップ開催地に決定しています。

オリンピックと並び立つ世界的なスポーツの祭典なわけですが
当然今回の断交によって開催を危ぶむ声が出てきています。

5年後とまだ先のことではありますが
カタール断交の影響を日本人が如実に感じることになるのは
まずここでしょう。


で、別にワールドカップが中止になるだけなら
残念ではあっても日々の暮らしには
それほど影響はないわけですけど


もちろんそれだけで済むわけはありません。


カタール自体は前述の通り人口250万人の小さな国なんですが
その割にはすごく儲かっている国です。

その源泉となっているのが
中東の国らしく原油であり、そして天然ガスです。

原油についても侮れませんが天然ガスが特に豊富で
小さな国土ながら埋蔵量は世界3位。


日本も長いことお世話になっており
その長年の付き合いからの信頼関係から
中部電力はなんと2016年から2021年までの
購入契約結んでいたりします。

もちろん断交によって
日本が輸入するはずだった天然ガス
どっかに消えてしまうわけではないのですが……

カタールの国力が著しく落ちるようなことになれば
日本の天然ガスの供給が滞り、その影響は甚大。

天然ガスというくらいだから
もちろん都市ガスに利用されているわけですが
実はそれ以上に火力発電に利用されるものが多く

つまり、電気代もガス代も爆上げ
最悪また計画停電なんてことも……

まぁ、カタール一国でそこまでの事態にはならないでしょうが
(日本としてはカタール天然ガス輸入量第4位です)
本質的にそういう影響があるという話です。


カタールに限らず
中東は資源は豊富ですが
常に地政学リスクがつきまとう土地です。

どうしても資源の輸入の多くを
中東に頼らざるを得ない日本ですが
いざという時のために、
他のルートも確保しておくことが急務となっています。

まとめ

いかがでしたか。

今回のカタールの国交断絶は
戦争にはならないまでもかなり厳しいレベルのものです。

小さいけど金持ちカタール
中東の盟主サウジアラビアは微妙に反りが合っていません。

カタールに何かあったら日本は天然ガス不足になって
ガス代電気代が上がるかも……?

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