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AIIBは実は失敗だった!?社会人なら知っておきたいAIIBの今について!

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日本と関係が深い中国。

日中関係はこれまでも色々と
外交上協力と反発の両方を繰り返してきています。

そんな中国は今やGDPで日本を上回り、
世界第2位の経済大国です。

当然、世界に与える影響力も
日々増しているわけですが

そんな経済大国中国の象徴のひとつともいえる
「AIIB」について紹介いたします。

そもそもAIIBとは一体何?加盟国は?実績は?

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AIIBとは
「Asian Infrastructure Investment Bank」
の頭文字を取ったものです。

日本語で書くとアジアインフラ投資銀行となります。

その名の通り、ずばり
アジアのインフラに投資するための銀行です。

……投資、というより融資が主ですが。


元々似たような組織として
日本とアメリカが主導で作った
ADB(Asian Development Bank~アジア開発銀行
という機関が昔からあるのですが

今伸び盛りのアジアにおいて
資金需要は増すばかり。

もうADBだけじゃ足りない……
なんて状態になってきていたところで

「そんなアジアの新興国の資金ニーズに応える」
とばかりに2013年に中国が設立を提唱

そして中国が主導で作ったのがAIIBなのです。


ADBが日本とアメリカ主導の組織であり
AIIBは中国が主導であるということが
非常に大きな違いではあるのですが

一方でその役割は似ています。

だから日本もアメリカも
「アジアのインフラ整備のための資金需要に応える」
というAIIBの理念はもちろん否定はしないのですが

いかんせん中国が主導ということで(笑)

日本とアメリカは

「そういいつつ集めたお金を
自分に有利なように使いまわすんじゃないの?」

と疑いの目を向け、距離を置いているわけです。

なにせ、AIIBの資本金1000億ドルに対し
中国は300億ドル近くを出資する
ダントツ1位の出資国であり
事実上の拒否権も持っています。

みんなでお金を出し合っているとはいえ
中国の思いのままに操れてしまうわけです。

中国は「一帯一路」という構想を掲げています。

それは

世界中に中国資本でインフラを整備して
中国を中心とした巨大経済圏を作る

というものであり
口の悪い人は「経済の植民地化」
なんて言ったりします(笑)

その構想をAIIBを利用して推し進められて
親中国の国が増えまくったりしたら
日本やアメリカはたまったもんじゃない。


で、日本、アメリカは他のG7を始めとした西側諸国に
「やめといたほうがいいぜ」と話していましたが

イギリスが入り、フランスが入り、ドイツ、カナダが入り……
結局G7でも日本、アメリカ以外は加入してしまっております。


そんなわけで、AIIBの現在の加盟国は70カ国・地域。
なんとこれは、ADBの67カ国を上回る数です。

国際機関としての信用も徐々に増していることは
否定できない事実です。

とはいえ、それでもAIIBの設立は2014年で、
まだ3年足らずです。
そのため、まだ実績には乏しい状態です。

融資実績としては

バングラデシュの地方部の送電網の拡大
インドネシアの貧困地区の生活環境の改善
パキスタン、およびタジキスタンでの道路改良事業

といったものがあります。

ですが、大体が先のADBであったり、他の国際機関――
たとえば世界銀行といったところとの共同融資となっています。

つまり、資金需要を新規開拓してきているのではなく
既にある程度回っているところに
追加で貸しているだけの実に手堅い融資です。

まだまだ0から融資を決めるほどの
ノウハウの蓄積がないためやむを得ないのでしょう。

投資については
インドのインフラファンドに
1億5千万ドルの出資をすることが
つい先日発表されました。

融資ではなく、投資としては、
これが初めての案件になります。

日米はアジアの資金需要を隠れ蓑に
自分の外交に利するずるい使い方をするんじゃないか
という懸念があるわけですが

今のところは
(表面上は)マジメに堅実に運営しているようだ

というのが一般的な見方となっています。

AIIBは最高位の格付けに!でもその格付けは本当に信用できる?

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そんなわけで日米には
特に懐疑的な目を向けられつつも
思ったよりマトモに運営されていることが好感されたのか

アメリカの有名格付け会社
ムーディーズ・インベスターズ・サービスから
最高位の格付けを6月に取得しました。


これについて、麻生財務大臣

ムーディーズ
日本の国債ボツワナより下に評価するようなところなので
信用できないしどうでもいい

とバッサリ切って捨てているのですが(笑)


……まぁ、一理あるかもしれません(笑)


前述の通り、AIIBはまだ設立まもなく実績に乏しいため
専門家の間では最高位ということも去ることながら

そもそも「え? もう格付け取得したの?」
という感じだったりします。

妙に早い格付け取得に
巷でウワサの「モン●セレクション」の如く

裏でヘンなお願いでもしてるんじゃないのか?

なんて話も出ていたりもするのですが……
真実のところは現時点ではよくわかりません。


もちろん、これから格付けが下がる可能性は充分にあり
ムーディーズ自身も

案件査定やリスク管理プロセスが
他の最高位格付けを得ている国際金融機関と
同等レベルにならなければ格下げの可能性がある

と注釈を付けています。


そんな注釈つけるぐらいなら
格付けするべきじゃないんじゃないの?
やっぱり時期尚早だったんじゃ……


なんて思ってもしまいますが(笑)


なにがしかの取引はあったかもしれないけれども
思ったよりマジメにやっている、
ということでそこが評価された面もあるのでしょう。

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AIIBの日本への影響は?日本は参加すべき?

日本もAIIBに参加すべき、
という声は設立当初からあります。

アジアの発展に寄与するという理念については
もちろん否定するものではありませんし

何より

中国がAIIBを私物化しないかどうか見張るなら
ちゃんと内側にいたほうがいい

という意見もあったからです。


最終的には、アメリカも参加しないことから
日本も参加を見送り、そして今後も参加の予定はありません。


ただ、今一番気をつけなければならないのは

そのアメリカがいきなり気変わりしてAIIBに参加――
なんてはしごの外され方をするケースです。


いかんせん今のアメリカ大統領はトランプさんです。
何をしでかすかわかりません(笑)

ちなみに、中国は日本の加入は歓迎しています。

なぜなら、中国には国際機関運営の経験がほぼなく
長いことADBを運営してきた日本のそのノウハウが
是非ほしいわけです。


AIIBによってアジア諸国が中国になびくようになってくると
日本は経済的にも国防的にも
不利な立場に置かれるわけですが

日本はアジアの国々の発展に尽力する姿勢を見せつつ
世界の潮流をしっかり見極め

中国に便利に利用されないようには気をつけつつ
参加の是非を都度、検討すべきでしょう。

まとめ

・AIIBには中国が私物化する懸念がある。

・でもその心配をよそに、
 今のところはマジメにやってるっぽい。

・今はAIIBに入らなくていいけど、
 日本は世界の流れを見極めて適切な対応をすべき。

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